妊婦さんの着付け・名古屋帯で一重太鼓の時に長さが足りないときの工夫

妊娠中期以降はお腹が大きくなり、胴回りも大きくなって、帯が足りなくなることがあります。礼装の時の袋帯(金・銀のもの)はまだなんとかなりますが(→帯の長さが足りないときの小鼓太鼓)、名古屋帯はどうしようもありません。

 

妊娠中じゃなくても、アンティークのもので帯が極端に短い、柄を出そうとすると短くなってしまう、体型が元々ふくよか、という方に名古屋帯で一重太鼓をしていただくときの工夫を二つ紹介します。

 

まずは、お太鼓を作るときに、結ぶ・ねじる方法で着ている人は、仮紐を使う方法か、お太鼓止めを使う方法でお太鼓を使ってください。窓がある文化枕(教材枕、美容姿)でもいいですが、カクカクっとなる形で胴にフィットしないのが苦手で私は使いません。

 

1.自分で着る場合や手先が足りないとき→うそつきの手先を作る

 

2.人に着付ける場合やタレが足りないとき→仮紐を使う

 

それぞれ、以下をご覧ください。

1.うそつきの手先を作る

この方法は、手先が短い場合に有効です。ポイント柄で、どうしても前に柄を出そうとすると手先が足りなくなるときも役に立ちます。

 

ただ、事前に準備をしておかなくてはいけませんので、自分で着るとき限定ですね。

 

手先が足りないと、お太鼓の中の途中で手先がおわって、お太鼓が固定できず、お太鼓がぼわぼわと膨らんで形がととのいません。なので、手先でちゃんとお太鼓の下線の端から端まで押さえられるように、うその手先を作っておきます。

 

作り方は、人それぞれですが、

・手芸用の接着芯で帯地や着物の余り布を使って作成する。

・カレンダーなどに帯地や着物の余り布を使ってボンドで貼って作成する。

のが簡単かな、と思います。カジュアル着物でしたら、手先の色が違っても結構ポイントになってかわいいかな、と思いますが、心配な方は似た色をお使いになるといいですね。

2.仮紐を使う

帯が短かったり、柄を優先した結果、タレの部分が足りなくなる場合があります。お太鼓を作ったときに、帯締めで押さえられる部分までタレが上がっていればいいのですが、ギリギリもしくは足りない、というときは、仮紐を使います。

 

チラっと見えてしまうことがあるので、自分で仮紐を隠すのが難しいですし、人に着せるときに長時間着るなどの場合などに限って仮紐を使うのもありかな、と思います。

このように、お太鼓の下線で仮紐をします。

 

上の写真では、普通の仮紐を使っていますが、細めのしかも滑りにくい、サラシを裂いたものや伸びない包帯を使うとモコモコせず隠しやすいと思います。

仮紐を手先と胴に巻いた帯の下に隠しこみます。どうしても、お太鼓の端の方からチラっと見えてしまうことがあるんですよね。。。なので、他に手を尽くしたけど(お太鼓は小さめに、手先もギリギリに)だめなときにに限定して使ってください。